【マメ】 腎臓
空豆に形状が似ていることから、この名前がついた。肝のようなネットリした食感。
これ食べたことないはず。次回要チェックやね。
小学校のころ、仲の良い友人がクロという犬を飼っていた。雑種で、灰色とかが混ざったあまり綺麗でない黒い色をしていたので、そんな名前をつけられていた。
友人の家は厳格で、クロは今の犬のように室内にいれたり、服を着せたりなんていうことはしてもらえなかった。エサも、夕食の残りもので、豪華なペットフードとは無縁で、全くお金をかけられてなかった。
けど、そのかわり自由に育っていたように思う。公園で離しても、「クロ」と名前を呼べば尻尾を振って友人のもとに駆け寄ってくる。サッカーや野球をしていると、舌をハアハア出しながら、僕らと一緒になって球を追いかけていた。初対面の人間でも足に顔を摺り寄せて甘えるぐらい人懐っこく、友達の間では人気者だった。
そのクロが、フィラリアにかかってしまった。もう余命も少ない。幸いだったのは食欲だけはあることだった。
学校の帰りに、友人とスーパーによった。友人は、肉のコーナーで生の大きなレバーを一塊買っていた。
当時はレバーの食感などはわからなかったので、子どものくせにけったいなものを買うなと思っていたら
「クロにやるねん。もう寿命が少ないから、最後の贅沢させたんねん」
と言っていた。
友人の家に帰って、血のしたたる生のレバーを、モルタルのステップのとこに無造作に置く。クロはちぎれんばかりに尻尾をふって、レバーにかぶりついて、三口ほどで豪快に平らげてしまった。
「これ焼いて食べる用のレバーやから、ほんまは生でやったらあかんねんけど、犬には焼くよりそっちのほうがよさそうやからなぁ」
確かに、半分野犬みたいなクロには、焼レバーより、口の周りを赤く染めながら食べる生レバーのほうが似合っているように思えた。
尻尾を振って、物足りなそうに友人を見るクロは、まだまだ元気そうだったが、フィラリアは確実にクロの心臓を侵食していた。
そして、何日か後に、クロは血を吐いて亡くなった。
そういえば、よく「明日命が亡くなるととしたら何を食べたい」という問いがあるけど、クロにとって最後の晩餐ででてきたものは生レバーだった。友人の家族は、それ以後もクロが死ぬまで生レバーをあげたという。
友人がクロにしてあげた、唯一の贅沢だった。
今のペット雑誌に出てくる犬たちに比べると、クロの生活環境は格段に劣っていたけれど、クロはクロなりに幸せな生涯を全うしたのだと思っている。
【キモ】 肝臓
レバー、繊維質が多い。牛の状態で赤、黒、黄などの色に分かれる。
生レバー大好物です。塩ふると旨いですね。けど、ふりすぎると胡麻油と塩の味しかしませんな。
焼きレバーはそれほど好きではないですが、出されたらヨロコンデ食べますヨ!
その日は、動画部の駆け出しユンと番長Sさんと一緒に取材に行っていた。
ユンはまだ大学生で、口の利き方から仕事の段取りまでなにもかもが、初心者。大学の映画サークルで映画をちょっと撮ったからカメラを少し使える程度
番長Sさんにビシバシしばかれながらも、なんとか自分ひとりの力で一本を撮り終えた。
やれやれと思いながら、次の取材がないのでその店でちょっと食い物をつまんでいると、ユンが店長にこんなことを質問しだした
「黒板にある赤センって、牛のですか?」
ユンは駆け出しで全然駄目っぽいけど、実はグルメのことをある程度知ってるんやな。ほんで、必死に知識を吸収しようとしてるんやね。技術はまだまだやけど偉いなぁ。取材が終わっても、質問して、自分の持ってる知識にさらに上乗せをしようとする好奇心旺盛な姿勢は大変重要やで
って、感心したんですね。けど店を出て地下鉄の駅に向かってるときにふと思い出したんです
赤センってホルモンのことで、4番目の胃袋のことやろ。ていうか、胃袋が四つもある動物って牛以外おるんかい。豚が四つも胃袋あるなんて聞いたことないぞ。
って気付いたんです。
ユンの野郎、知ったかぶりして聞きやがったなっ
そういえば店長がユンに質問されたとき、困った顔して、答えてたのはそのせいか〜
けど、考えてみると、取材していて、実はそれ僕知らないんですよって知識のなさを取材対象者に知らせるのってスゴイ勇気のいることなんですね
僕も知らない単語が出てきても、「あーなるほどねー」みたいな顔して、必死でメモして後でネットで調べるとかはようありますね
「すんません、勉強不足でそれなんのことかわからないんです」っていうのがスラスラでるようになったのは最近のことですね〜
今でも、この「知らない」ということをカミングアウトするのは緊張する瞬間でもあります
なんか、そんな昔自分にあった壁を、思い出させる、ちょっと切ないホルモンが、赤センでもあります。
【赤セン】胃袋
牛の四番目の胃袋。脂が多くついてかなり濃厚。別名ギアラ。
この単語を焼肉屋で発音した覚えはるけど、どんな食感やったのかは覚えてないです。なんか、偉い旨そうな説明書きでんな〜
【センマイ】胃袋
牛の三番目の胃袋。黒いヒダとブツブツの突起がある。俗称雑巾。
多分必ず頼んでると思う。けど、これといったインパクトがあることはないなぁ。コリコリというかシコシコした食感ですねぇ。グロテスクさではホルモン中随一の実力者ではないでしょうか?
【ハチノス】 胃袋
2番目の胃袋。見た目が蜂の巣状になっているので。白色ではなく本当は真っ黒。焼く前に黒い皮を湯剥きする。
プティカッセのハチノスは旨かった。カリカリに焼いて、ちっちゃなホットケーキくらいの大きさでナイフとフォークで食べる。もう1回食いたいなぁ
【ミノ】 牛の第一胃袋
牛の第一胃袋、身が厚い部分だけを選別したものを上ミノという。新鮮なものは貝柱のような食感
新鮮なものは貝柱のような食感か、確かに今まで食べたミノで旨いのはそんな食感やったような気がする。けど固いだけの貝柱と不味いミノも似たような食感の気もしないでもなし。
ミノを薄く気って湯引きして食べたのが旨い、というか工夫してるなぁって思いましたね〜
【ハツ】 心臓
心臓、別名ココロ。脂分が少なくコリコリした食感。刺身で出されることも多い。キモのような独特の臭みがないのと、脂肪分の少なさゆえ、ヘルシー志向の女性にも人気。
ハツは食ったことあるけど、大好物ではないなぁ。もちろん、頼まれたらバクバク食うんですけどね。やっぱりコッテリ感が少ないのが、すすんで頼まない要因かなぁ?
【コリコリ】血管
血管の動脈の部分。かなり歯ごたえがあり、包丁で筋をいれるなど下処理が必要。別名、タケノコ、ミズノミ、フエ。
前に三田で焼肉食いにいったとき、ふたつのグループにわかれて隣のグループがタケノコ食ってましたな。唐辛子かなんかに漬け込んでものを食ったようです。
辛いもの嫌いなm4が「食えん」いうて、わめいていたのを思い出します。
僕らは食わんかったけど、どんなお味がするんでしょうか?
【ウルテ】(気管)
気管の軟骨。別名フェガミ。味はとくになくコリコリした歯ごたえを楽しむ。みりん醤油でパリパリに焼いて食べると、珍味っぽくて旨いのだとか。
食ったことあるはずだけど、特にこれといった印象はないな〜。
【タン】(舌)
上タンは柔らかい根の部分で霜フリの入った上質の部分を芯タンという、先っちょは並タンと呼ぶ。
タンの原型を見たときのあのグロテスクさにはビビリましたね〜。てっきり薄く切ったタンが牛の口の中にある思ってましたから。なんですか、あの大人の腕ぐらいのぶっとい丸い物体は!
それはそうと、学生時代は、焼肉食う順番とか全然考えずにただいっしょくたに鉄板の上で焼いて、口の中に詰め込んでいたのですが、社会人になって、現場の職人さんに焼肉つれていってもらったときに
「焼肉はタンから始めるもんやねん」
って教えてもらって、すごいショックを受けた覚えがありますね〜。
鉄板で焼く単純な料理やと思ってたのですが、フランス料理のコースのように奥の深いものやったんやと初めて知りました。
ちなみに、タンからいって、ホルモンの白身系をタレをつけずに塩とかレモンで食べて、最後にモミダレやタレでつけて食べるのが一番いい食い方らしいですな。こうすると、薄味から濃い味の肉に移ってスマートに食べれるんですね。
あと、最後にモミダレの食うと鉄板も汚れなくていいしって、ホンマのこと言うと、最初のタン以外は今でも順番なんか考えて食ったことないですけどね…
なんか、こう最初にタンを食うと、俺は最低限の焼肉のルールは守ってるよ という安心感があるから不思議ですな〜
【ハラミ】(ホルモン)
横隔膜。
医者やってるツレがハラミを焼きながら、
「知ってるか、ハラミは横隔膜やねん。人間にも横隔膜あってな、手術で腹切ったら人間のも見えるんやけどな、それが牛のハラミとほんまにそっくりやねん!」
て言って、食欲減退してるうちにバクバク食われてしまったことのある思い出のホルモンです。
肉が赤いので、赤身食う金がないときには重宝しますな。
横隔膜の背中側がハラミ
横隔膜の肋骨側がサガリ
とゆうらしい。
焼肉のお勉強です
【ミミカブ】(ホルモン)
ミミの付け根あたりの肉らしい。よく動かす部分なので、キメの細かい霜降りが入ってるそうな。
なぜかよく動かす部分の肉は旨いね。これは食ったことないね〜。