キノシタの無駄に長い独り言[背脂チャッチャ]編

2005年4月 6日 (水)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その13


初めて読む人は、その1から読んでください。

このように、私達が「背脂チャッチャ」と安易に表現していた京都ラーメンが、実に奥深いものだったことがわかってもらえると思います。

これからは、安易に「背脂チャッチャ」というカテゴリーだけで背脂醤油ラーメンをとらえるのではなく、その背脂がどこで煮込まれ、どの段階でチャッをしているのかを見極めてください。そうすることで、背脂チャッの裏にある店側のラーメンにかける想いを読み取ることができるのです。それが、京都に氾濫する背脂醤油ラーメンを理解する重要な手がかりのひとつになるはずです。

(完)





京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その12

初めて読む人は、その1から読んでください。

また、まだ未確認ですが、先輩ライターの曽束さんが言うには、「背脂チャッはせずに、背脂チップが鉢に自然に入るにまかせるラーメンが京都にはけっこうある」そうです。

多分、それらは寸胴の中で背脂を溶かして、スープを注ぐ時に溶けなかった背脂が若干入る、という形態だと思います。

また、変り種では、最近四条高倉上ルにオープンした[たかくら]。メニューには「背脂チャッチャ」と添え書きしているように、ラーメン鉢の上に[たんぽぽ]並の背脂チップが浮いています。

こちらは、寸胴と別に背脂を煮込んでいるようですが、その背脂の落とし方が変わっているのです。銀色の小さな容器に、鍋から豆腐をひろう網のようなもので背脂をすくいとり、ポイっと醤油ダレの上に落とすのです。

なぜ鍋でなく小さな容器に入れるのか?
なぜ、平ザルで背脂チャッの作業をしないのか?

疑問はつきませんが、醤油タレ上から背脂を乗せているにもかかわらず、完成したラーメンには大量の背脂のチップが乗っていたことを考えると、特別な背脂の煮込み方をしているのかもしれません。

取材はしてないので詳細は不明ですが、[たかくら]を分類すると、

[たかくら]
寸胴とは別に煮込み系 醤油タレ上背脂ポイッ目 トリガラ(?推定)科 

になるのではないでしょうか。(注:背脂チャッ目ではありません!)


(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年4月 4日 (月)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その11

初めて読む人は、その1から読んでください。

でこうして調べてみると、背脂チャッ系と簡単に表現できるほど、京都ラーメンが単純ではないことがよくわかります。以下はボクが勝手に作った、背脂醤油系ラーメンの分類方法です。ラーメン好きの方は、これから安易に「背脂系」などと言わずに正確に表現するよう努めてください。

まず第1の分類の方法は、
背脂を寸胴と一緒に煮込むかどうか。

そして第2が、
醤油タレの上に背脂チャッをするのか、スープの上からするのか、

そして第3が、
スープの種類です。

これにしたがって、[ますたに]などを分類したのが以下になります。(他にも[ほそかわ]の友人の店[ラーメン純]と五条烏丸にある[大王麺]もいれてみました。)

【ラーメンの分類】
[ますたに]
寸胴と一緒に煮込み系 醤油タレ上背脂チャッ目 トリガラ科

[ほそかわ]
寸胴と一緒に煮込み系 スープ上背脂チャッ目 トリガラ科

[タンポポ]
寸胴とは別に煮込み系 スープ上背脂チャッ目 トリガラトンコツ科 

[ラーメン純]
寸胴と一緒に煮込み系 醤油タレ上背脂チャッ目 トリガラ科 

[大王麺]
寸胴と一緒に煮込み系 スープ上背脂チャッ目 トリガラ(?推定)科 

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年4月 2日 (土)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その10

初めて読む人は、その1から読んでください。

なぜなら、醤油ダレの上から背脂をかけてスープを振り掛けると背脂は溶けてしまいます。当然スープの表面にある背脂のツブが少なくなり、一味の辛さを受け止められなくなるのです。

実は何気ない背脂の扱い方ですが、その手順によってラーメンの個性さえも決定づけてしまうものだったのです。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その9

初めて読む人は、その1から読んでください。

まず、何が違うかというと、背脂を温める場所です。[ますたに][ほそかわ]はスープの寸胴と一緒に温めていましたが、[タンポポ]は寸胴とは別に背脂だけを温めていたのです。当然、[ますたに]のように背脂がスープには溶け出すことはなく、アッサリ目に仕上がります。

そして、[ほそかわ]と同じく 醤油ダレ→スープ→背脂チャッ の手順を踏むのです。[ますたに]が作りあげた京都ラーメンの風味をのこしつつ後味スッキリの秘訣は、この背脂の扱い方にあったのです。それでいてスープにしっかりした芯があるのは、大量に降りかかった背脂のおかげです。

で、もうひとつのキモが、一味です。実は、見た目よりも辛さの少ない一味を使用しているのです。それが、背脂のツブの上にのっかるわけです。背脂のまろやかさが一味のとがりをさらになくしているというカラクリになっています。

こうしてみると[タンポポ]において、 醤油ダレ→スープ→背脂チャッ の手順がいかに重要かがわかると思います。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年4月 1日 (金)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その8

初めて読む人は、その1から読んでください。

[タンポポ]のラーメンは、見た目コッテリ、後味はスッキリという味です。見た目コッテリの秘訣は、大量に降り掛けられた背脂と一味のおかげです。しかし、その凶悪な外見に似合わず、あっさり目にご機嫌でズルズルとすすれるのです。(もちろん、普通のラーメンに比べれば濃厚です)

[ますたに]の常連だった創業者(もう亡くなられたそうです)が、何とか[ますたに]が作り上げた京都ラーメンの味わいは残しつつ、独自の個性を出そうとしてできたのが[タンポポ]のラーメンだったのです。

では、その[ますたに]らしさを残しつつ独自の個性を出すキモは何かというと、やはり背脂の扱い方にあったのです。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その7

初めて読む人は、その1から読んでください。

今回は、[ほそかわ]さんには話を聞いていないので詳細は不明ですが、以前取材した時にヒントになるようなことを教えてもらいました。その時、[ますたに]に10年近く修行した店長は、[ますたに]と[ほそかわ]の味についてこんなことを言ったのです。

「ボクにとって[ますたに]の味は絶対のものなんです。一生かけて追いつく味です。けど、100%同じ味を目指しているというわけではないんです。今でもそうですけど、ボクの作るラーメンは[ますたに]よりも少しアッサリ目の味にしてるんです」

で、そのアッサリ目にする秘訣のひとつが、背脂の扱い方なのではないかと思ったわけです。[ほそかわ]のように、醤油ダレ、スープを入れてから背脂をチャッとすると、当然、背脂の上から勢いよくスープをかけるよりも、溶け出す背脂の量が少なくなります。必然的に、アッサリ目になるというわけです。もちろん、それ以外にも煮込む時間など火加減などもあるのでしょうが、ラーメンのあっさりコッテリ具合に、背脂の溶け出す量はかなり大きなウェイトを占めているような気がします。

では、もうひとつ取材した[タンポポ]はどうかというと、ここも[ますたに]とは全く違う背脂の扱い方だったのです。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年3月31日 (木)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その6

初めて読む人は、その1から読んでください。

背脂チャッの作業を眺めてみると、あることに気付きます。まず[ますたに]ですが、背脂をどこで温めているというと、スープの入った寸胴なのです。つまり、背脂チャッをする以前にすでにスープの中にはラーメンのフォンドヴォーとも言うべき背脂が溶け出しているわけです。こうして、“はんなり”とは対極にある芯のしっかりした京都ラーメンの味ができるわけです。

さらに、醤油ダレの上に背脂をチャッし、熱いスープをその上から勢いよくかけることによって、背脂がさらにマンベンなくスープの中に溶け込むのです。

ではなぜ、その2で述べたように、[ますたに]の直弟子である[ほそかわ]はあえて、

醤油ダレ→スープ→背脂チャッ

という師匠とは違う背脂チャッの手順を踏むのでしょうか?

※[ますたに]は、
醤油ダレ→背脂チャッ→スープ

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その5

初めて読む人は、その1から読んでください。

今回取材で試してみたことは、背脂抜きならどんな味がするかということでした。視覚的要素で白い背脂のチップを散らしているだけじゃないの?と思ったわけです。

今回、取材したのは[ますたに]さんと[タンポポ]さんです。背脂ありとは別に背脂抜きのラーメンも作ってもらいました。で味の方はどうかというと、これが実に頼りない味なのです。スープの薫りや基本的な味は一緒なのですが、何か一本芯が足りない味になっています。炭酸の抜けたコーラのような味とでも言えばいいのでしょうか?
チップはもとより、溶け出した背脂がスープにコクを与えているのです。

つまり、背脂というのは視覚的要素として必要なだけではなく、京都ラーメンのスープの要になるものだということがわかったのです。デミグラスソースの命ともいうべきフォンドヴォーに匹敵する働きがあると言っても過言ではないのです。

そして、よくよく取材を重ねると、この背脂をどう扱うかによって、ラーメンの個性が生まれてくることがわかったのです。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年3月30日 (水)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その4

初めて読む人は、その1から読んでください。

で、そこで疑問がわきあがると思います。「背脂チャッ」のどこが、

『そして、私たちが「背脂チャッチャ」「背脂醤油系」と安易に呼んでいたラーメンが、実はその言葉だけでは区切りきれないほど奥が深いものだったことを思い知ることになったのです。』

と書くには大袈裟すぎるのではないかということです。

もちろん、実はそんな簡単な話ではありません。これから、「背脂チャッ」の真相に話を進めたいと思います。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その3

初めて読む人は、その1から読んでください。

で、まずはなぜ背脂チャッチャに異議を唱えるかというと、それは正確には「背脂チャッチャ」という表現が間違っているからです。なぜ間違っているかというと、それは実際に背脂を落とし込む作業の様子を見ればわかります。

背脂をすくいとり、平ザルで上下にコンパクトかつ激しくチャッと振るのが「背脂チャッチャ」の語源ですが、よくよく見てみると、ラーメン鉢の上で上下に振る回数は1回のみなのです。つまり、「背脂チャッチャ」ではなく「背脂チャッ」と表現するのが適当なのです。みなさん、よく注意してください。これからは「背脂チャッチャ系」ではなく正確に「背脂チャッ系」と表現してください。

ただ、例外もあります。それは注文が続き、一気に「背脂チャッ」の行為をするときです。6鉢目ぐらいになると、平ザルの上の背脂の量が少なくなり、必然的に1回では背脂の量が少なく2回振ることがあるのです。そのときのみ「背脂チャッチャ」と表現するのが正しい呼び方になります。なので、みなさん背脂チャッ系ラーメンを食べる時は、自分の鉢が何番目で何回チャを振ったかをよく確認しておいてください。そして、店員さんが自分のラーメン鉢に2回背脂を振ったときのみ、「背脂チャッチャ系ラーメン」と呼んでよいのです。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。

マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年3月24日 (木)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その2

初めて読む人は、その1から読んでください。

気付いた違いを簡単に言うと、

[ますたに]は
醤油ダレ→背脂チャッチャ→スープ
という手順だったのに対して、

[ほそかわ]は
醤油ダレ→スープ→背脂チャッチャ
という手順だったのです。


なんだそれだけかよと思ったかもしれないですが、実はこれが大変重要なプロセスだと知ったのは今回の取材が終わってからでした。そして、私たちが「背脂チャッチャ」「背脂醤油系」と安易に呼んでいたラーメンが、実はその言葉だけでは区切りきれないほど奥が深いものだったことを思い知ることになったのです。

(長いので次に続く)


■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。

2005年3月23日 (水)

京都の背脂チャッチャラーメンに異議を申し立てる。 その1

今回は、京都の背脂チャッチャラーメンについて語りたいと思います。

「背脂チャッチャ系」と言われる豚の背脂(ラード)の粒がスープに浮いたラーメンのことを、いくつかある京都ラーメンのスタンダードのひとつとしてあげる場合が多いです。確かに、豚の背脂を乗せているラーメンは数多くあります。背脂チャッチャの元祖[ますたに]や、その弟子の[ほそかわ]は言うに及ばず、多くの京都のラーメン屋さんが背脂をスープに振り掛けています。そしてそれらのラーメン屋を、「背脂チャッチャ系」あるいは「背脂醤油系」などと僕らは表現しています。

で、つい最近MeetsRegionalさんの仕事でラーメン屋を回っていて、あることに気付いたのです。それは、「背脂チャッチャ系」あるいは「背脂醤油系」とひとまとめに表現するのがいかに不適切かということなのです。

そう思いはじめた最初のきっかけは、一年前の同じくMeetsRegionalさんの仕事でラーメンの取材に回ったときのことでした。このときは、[ますたに]系列のラーメン屋さんを回る取材でした。で、最後に[ほそかわ]を取材している時にあることに気付いたのです。それは背脂チャッチャの仕方が、[ますたに]や[ラーメン純]など他の[ますたに]系列のラーメン屋でも違いがあるということでした。

(長いので次に続く)

■ラーメンといえば、天天有さんの記事もよろしくお願いします。キノシタのブログの中では、10位にランキングされる密かな人気記事であります。
■マスターベーコンは是か否か、みなさまのご意見お待ちしています。